お鼻はいつもグズグズ

このエントリーをはてなブックマークに追加

お鼻はいつもグズグズ

テッシュが欠かせません 日々思った事を書きます

あのときの ケーキは だれが もっていった

おばあちゃん社員


 職場での帰りぎわ、ロッカー室で正社員のおばちゃん…… 歳は聞いてないから ナンだけど まあ 定年近いかんじのおばあちゃんが、


 「だれかのいいコート 着てくとこやった」


 冗談ぽく、ハンガーラックにいくつか かかっているコートを手にしたあと また ラックに戻しました。



 だめやよ ひとの持っていったら



 わたしは 笑いながら いいました。


 そのおばあちゃん社員の方は 12月27日までの勤務で そこから3月末まで 病気・手術のため 休職するそうです。
 
 なんのご病気は 聞いていません。とても 元気で、いわれなければ 病気とは信じられません。

 4月からは 職場復帰するか そのまま辞めるか 未定のようです。


 そんなこんなで わたしが所属しているところに 一カ月ばかりまえ配属され よくしてくれました。


 紙カップのジュースが 無料の日があるんです。


 そのときも 飲みにいくぞ と 誘ってくれ 2人で コーヒーを飲んでいました。

 わたしは 猫舌でゆっくり飲んでいて 短い休職時間 終了のチャイムが鳴り響き、わたしは あたふた小走りしました。

 そのおばあちゃん社員もいっしょに 小走りしていましたが、いま思うと カラダにさわらんかったかしら と 心配です。



カミナリに うたれたように

  んんん………



“ 「だれかのいいコート 着てくとこやった」”


 わたしは はっとしました。


 それは むかし、わたしがべつのところで 正社員だったころ……


 クリスマスケーキの社内注文があったんです。


 ケーキといっても アイスケーキです。


 わたしも カタログを見て ピノみたいなひとくちサイズ 個別包装のアイスを頼んでいました。



 そういうのが、何年か続いたある年の暮れ まじか。



 会社の冷凍庫から、自分が注文した 支払済のアイスを持ちかえりました。


 おのおの 勝手に持って帰るスタイルでした。



   翌日ーー



 事務員のねーさんに 


「ぐずさん、ケーキ なに持っていった?」


 わたしは 自分の買ったやつの名前をいいました。


「ふーん」


 事務員のねーさんは、まあまあ といったかんじで、引さがっていきました。


 わたしは、はじめて こんなことを聞かれて 

   

       はて? 


 首をかしげました。



あんれ まー

 なんでも、一番 高いアイスケーキが 一個たりなかったそうな。


 かわりに 一番 安いアイスケーキが 一個多くあったそうな。



        ………。



 だれかが、故意ではないと信じたい が 高いケーキを持ってゆき 安い自分が注文したケーキを置き去りにしていった……らしい。


 犯人は わからずじまい。




 クリスマスのアイスケーキの社内注文は なくなった、とだけ ここに記録しておく。